葬儀に関する一連の流れとは?基礎知識や手順を徹底解説!

公開日:2022/12/15   最終更新日:2022/11/22

葬儀はお葬式だけでなく、亡くなる方が危篤となった段階からはじまっています。実際に葬儀を行う際、休む間もなく次々と訪れる“やるべきこと”の多さに圧倒される方もいるでしょう。今回は、葬儀に関する一連の流れとともに、基礎知識や手順を解説します。葬儀を行わないといけない状況になって慌てないために、チェックしておきましょう。

危篤・臨終からご逝去までの流れ

葬儀は、命の危険が間近に迫っている危篤の状態からはじまります。危篤の段階ではまだ亡くなっていませんが、回復の見込みは少なく、そのまま臨終を迎えてご逝去してしまう場合が多く、心の準備が必要です。病院や家族から危篤を伝えられたら、最優先で病院へ向かいます。

危篤から臨終を迎えるまで

危篤から臨終を迎えるまでは人によって異なります。危篤の連絡を受けて数分で臨終を迎える方もいれば、数週間危篤状態が続く場合もあります。業務に支障が出る可能性もあるため、上司や職場への連絡も忘れずに行ないます。患者と立ち会えたら、まずはたくさんの声かけとスキンシップを大事にしましょう

臨終からご逝去まで

臨終とは、死に直面するという意味をもちます。臨終を迎えると、医師が死亡診断を行います。死亡確認後、身体を清め、死に化粧を施すなどのエンゼルケアが行われます。これらのケアを、まだ温もりのある故人とのスキンシップとして、立ち会っている遺族に託してくれる病院も増えています。エンゼルケアを終えると、遺体は病院の霊安室へと安置されます。

葬儀社の手配から打ち合わせまでの流れ

病院の霊安室に遺体を安置できる時間は長くありません。葬儀社が決まっている場合、なるべく早い段階で連絡を入れます。

葬儀社の手配

葬儀社が決まっていない場合、病院と提携している葬儀社を提案してくれる場合があります。葬儀社が決まっている場合、早い段階で葬儀社へ一報を入れておきます。葬儀社が決まると、搬送しに寝台車で遺体を迎えに来てくれます。基本的に遺体は葬儀社の安置室で安置されますが、自宅での安置も可能なため葬儀社と相談しましょう。

死亡診断書

医師が死亡診断を行うと、死亡診断書が発行されます。役所へ死亡診断書を提出すると、火葬許可証が発行されます。火葬許可証がないと遺体の火葬が認められません。死亡診断書は諸手続きで提出が必要となるため、必ずコピーをしておきます

葬儀社との打ち合わせの流れ

葬儀の打ち合わせの日取り決めは葬儀社によって異なりますが、当日から翌日には打ち合わせが行われます。葬儀の形式を選択してから本格的な打ち合わせがはじまります。葬儀の日程決めの前提として、菩提寺がある場合は菩提寺の予定を中心に葬儀の日程を決めます。遺族や親族、火葬場の予約状況などから逆算し、最終的な葬儀の日程の決定を行います。

遺体の腐敗を遅らせる処置

人は亡くなった瞬間からゆっくりと腐敗がはじまります。ご逝去から火葬までの日数は地域によりますが、平均4日~7日とされています。その間、遺体の腐敗を遅らせるための処置が行われます。腹部にドライアイスを当て、温度を下げて腐敗を遅らせる処置か、専門資格をもつ技術者が体内の残存物の除去や防腐剤の注入、損傷箇所の修復などを行うエンバーミングのいずれかを選択します。

納棺から葬儀までの流れ

葬儀に関する各種諸手続きから準備、訃報を伝え、参列者の予定も出揃ったころ、一息つかぬ間に葬儀の日を迎えます。

納棺の流れ

通夜を行う前に、故人を棺へ納める納棺を行います。身体を清め、死に化粧を施し、死装束や仏衣を着させ、遺族の手で故人を棺へと納棺します。故人に着せたいものがある場合、納棺師が丁寧に着せてくれます。故人を棺に納め、胸の前でゆっくりと手を組ませます。旅立つ故人と一緒に火葬し、あの世へ持っていく副葬品を棺へ入れることも可能です。

通夜式当日の流れ

喪主は通夜開始までに、担当者相談しながら席次、席の配置、祭壇や花などを確認します。導師への挨拶やお布施は通夜がはじまる前に行います。その後の進行は葬儀社が行うため、心配はありません。通夜では、導師による読経、喪主から順に焼香を行い、予定していれば通夜ぶるまいと呼ばれる食事会を設けます。

告別式当日の流れ

通夜の翌日は、一般の参列者も招いて、故人との最後のお別れとなる告別式を行います。告別式当日の流れは、開始数時間前には式場へ到着しておき、喪主は担当者と最終確認を行います。式場全体のチェック、席数、会葬礼状や返礼品、受付準備など、会場全体の確認を担当者と行います。導師が到着したら担当者から声がかかるので、導師の部屋へ出向き挨拶をします。必要であればこのタイミングでお布施を渡します。

告別式が開式すると、通夜と同様に導師の読経、喪主から順に焼香をあげます。初七日法要を省略する場合、導師の読経から再び焼香をあげます。焼香のタイミングや順番などは、スタッフからの案内で進められます。焼香と読経を終えると導師は一度退場し、告別式は閉式します。

出棺から火葬までの流れ

告別式の閉式後、故人の棺への花入れ、棺の蓋閉め、喪主による別れの挨拶を行います。棺を大きく開けてのお別れは花入れまでです。一緒に火葬して欲しいものがある場合は、花いれのタイミングまでに棺へいれておきます。

お別れの会と出棺までの流れ

告別式の閉式後、故人とのお別れの会へと移ります。喪主から順に故人の棺の中に生花を添え、故人と触れ合える最後の時間を過ごし、棺の蓋が閉められます。蓋閉めでは、参列者全員で棺の蓋に手を添え、足元からゆっくりと蓋を閉めていきます。喪主による挨拶を行い、お別れの会は終了します。

返礼品は、喪主の挨拶後から出棺の準備が整うまでの間に参列者へ渡します。導師のタイミングにより、返礼品を渡す前に出棺の準備を整えている場合もあるため、導師のタイミングを優先します。

出棺の流れとマナー

導師の読経とともに、霊柩車へ棺入れをして火葬場へと向かいます。導師の読経、導師による案内で合掌し、霊柩車のドアが閉められます。その後は導師を含め、火葬場へ向かう方は霊柩車とともに火葬場へ向かいます。火葬場へ同行するのは基本親族のみのため、一般の参列者は霊柩車を見送ることになります。見送りの際には、出発する霊柩車へ一礼し、黙礼したまま霊柩車が見えなくなるまで見送ることがマナーです。

火葬場でのお別れ

火葬場での故人とのお別れの時間は短く、場合によっては顔を見ることもできません。火葬場へと到着したら、火葬場のスタッフの案内に従い、導師の読経とともに焼香をあげます。導師が同行していない場合でも、喪主から順に焼香をあげ、故人は火葬炉へと向かいます。

骨上げと手順

骨上げは葬儀と同じく儀式にあたります。骨上げでは、火葬炉から取り出された遺骨を囲み、21組のペアで箸渡しの作法を用いて遺骨を拾います。遺骨を骨壺へと納める順番は、生前と同じ形で納めるため、足元から順に上半身へ向かって拾い、最後に喉仏を納めます。骨上げを行う方の順番は、喪主など故人との関わりが深い立場にある方から、血縁の濃い順に進め、喪主ペアが最後に喉仏を拾います。

初七日法要から納骨までの流れ

火葬後は、初七日法要、四十九日法要、納骨と順に行います。葬儀後、7日目に初七日を迎え、初七日法要を行いますが、現在では葬儀当日に一緒に行うことが増えています。

納骨の準備

納骨は四十九日法要のタイミングで行う場合が多いですが、必ず49日目に行う必要はありません。納骨する心の準備ができたら、菩提寺や納骨先と日程調整をしましょう。納骨の際には、骨壺と一緒に火葬済みと印された火葬許可証、墓地使用許可証、印鑑を忘れず持参します。

納骨当日の流れ

法要と合わせて納骨を行う場合、基本的には午前中に法要を営み、お墓で納骨法要と納骨を行い、会食を設けます。午後に法要を営む場合は、暗くなる前に納骨法要ができる時間帯に設定しましょう。暗くなると足元が見えづらく、納骨がスムーズに行えないため注意が必要です。

まとめ

葬儀に関する一連の流れ、手順と基礎知識を少しでもイメージできたでしょうか?葬儀はお葬式だけでなく、危篤状態からはじまります。葬儀がはじまったら、想像以上の早さで物事を進める必要があり、そして進んでいきます。葬儀の忙しさは、遺族の心を紛らわすためだとも伝えられています。実際に自身が葬儀を行う立場となったとき、この記事を思い出していただければ幸いです。

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