葬儀をあげるならどんな葬儀にする?形式の違いについて解説!
自分の葬儀をどういった形式であげてほしいか、葬儀の形式をどう選択していくことが最善で、後悔のない葬儀を行えるのか…そういったことはとても悩ましい点です。その一方で、自分が遺族としてどんな葬儀をあげることができるのでしょうか。少しでもイメージが掴めるよう、葬儀にはどのような形式があるのかご紹介します。
日本で行われている葬儀の種類
あらゆる種類の葬儀が日本では行われています。参列者の人数や葬儀の規模、通夜の有無、そもそも葬儀を行うかどうかによって、葬儀の形式は異なります。日本では、一般葬・家族葬・一日葬・直葬など、さまざまな形式で葬儀が行われています。
一般葬
一般葬とは、いわゆる普通の葬儀のことで、先祖代々引き継いできたしきたりや慣習に則って行われる葬儀です。一般葬では、故人と最後の夜をともに過ごす通夜と、その翌日に一般の方を招き、故人とのお別れをする告別式が行われます。葬儀には、遺族・親族、親しい友人・知人以外にも、さまざまな立場の方が参列し、大勢の方々とのお別れができます。
家族葬
家族葬とは、遺族・親族、とくに親しくしていた友人・知人、場合によっては会社や趣味サークルなど、親交のあった団体関係の代表者のみで行う形式の葬儀のことをいいます。大勢を呼ぶ葬儀ではなく、気心知れた人たちだけで見送ってほしい方に向いている葬儀の形式だといえます。
一日葬
一日葬とは、通夜を行わずに告別式のみ行う葬儀です。通夜を行わない分、葬儀の価格を抑えることができ、経済的な不安をもつ遺族の負担を軽減できます。また、喪主や遺族が高齢の場合、1日で葬儀を終えることで体力的な負担の軽減ができます。
一日葬を選ぶ理由はさまざまです。たとえば、通夜を行わない代わりに、告別式での祭壇の花や棺「故人が納骨される大事なものだから」と骨壺をグレードアップ、故人が生前「大の車好きだったから、豪華に送り出したい」と、火葬場へ向かう霊柩車を一般的な霊柩車からリムジンやベンツ(洋型タイプの場合)の霊柩車にグレードを上げるなど、さまざまな理由から通夜を行わないことを選ぶ方もいます。葬儀をより故人に寄り添う形で行うために、一日葬が選ばれることがあります。
直葬(火葬式)
直葬とは、通夜・告別式を行わず、火葬のみ行う葬儀の形式です。直葬は必要最低限の出費で抑えられるため、遺族の経済的な負担を軽減でき、同様に故人も家族へ負担をかけたくないという思いから直葬を選択することがあります。なかには、故人や遺族の意向で葬儀を行わず、親族、友人・知人一同を集めて盛大にお別れパーティーを開催するから直葬を選ぶといったケースもあります。
社葬
社葬とは、葬儀の主催が遺族ではなく、故人が生前勤めていた会社が行う形式の葬儀です。多くは会社の創設者や会長、社長、会社に特別な功績や大きな貢献を残した方、勤務中の事故や会社の指示による業務の遂行中に亡くなった場合に行われます。大型の葬儀の場合、密葬という形式の葬儀を親族や親しい友人・知人のみで内々に行われ、その後社葬が行われることが一般的です。
日本でもっともスタンダードな形式の葬儀
あらゆる形式の葬儀の中で、一般的に認識されているスタンダードな葬儀をご存じですか。日本でもっともスタンダードな形式の葬儀は、仏式に則った一般葬です。つまり、遺族や友人・知人以外にも一般の参列者を招き、通夜と告別式を両日行う葬儀が日本ではもっともスタンダードな形式で認知度の高い葬儀です。一般葬がもっともスタンダードな葬儀ではありますが、2020年1月中旬から広まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、葬儀に参列する人数を最小限に抑え、故人と身近な間柄の友人や遺族・親族のみで行う一日葬や家族葬もスタンダードな葬儀となりつつあります。
宗教によって異なる葬儀の形式
宗教によっても、葬儀の形式は異なります。日本では仏式の葬儀がもっとも多く行われていますが、キリスト教や新道、仏教の宗派により葬儀の形式は異なります。
仏教式
日本での葬儀のおよそ9割は仏教式です。仏教と一括りにいっても、仏教の中にはたくさんの宗派が存在します。それぞれの宗派によって、葬儀における細部はことなりますが、通夜・告別式・火葬という流れは同じです。自身の宗教や宗派、家紋などは事前に確認して把握しておくと、葬儀をスムーズに進行できます。
キリスト教式
キリスト教の教えでは、死を穢れたものとしていません。キリスト教がもつ葬儀の意味合いは、死んだものが神のもとへ導かれていく祝福です。そのため、葬儀では聖書を朗読し、讃美歌を皆で歌い、献花をするといった形式で葬儀が行われます。
神葬祭
神道という日本古来の宗教での葬儀は、故人の御霊(魂)を故人の家に留め、守護霊となってもらう意味合いをもって行われます。神道では、死は穢れたものであるため、葬儀を行う場所は故人の自宅か葬儀場、斎場などで行います。
友人葬(創価学会)
創価学会の学会員の葬儀はすべて友人葬と呼ばれています。友人葬では、故人はすでに成仏している存在のため、僧侶は招きません。仏式の葬儀と段取りは同じですが、葬儀では僧侶ではなく学会の幹部などを導師として迎えます。また、友人葬では導師という呼び方はされず「儀典長」と呼ばれるのも友人葬の特徴です。
無宗教式
無宗教式の葬儀は、無宗教だった故人による葬儀で、自由葬とも呼ばれています。無宗教式での葬儀では、僧侶や読経、焼香といった一般的な作法はありません。自由に葬儀を作り上げることができるため、故人が好んでいたもの、自身のオリジナル葬儀を行うことができます。
葬儀を行う場所によっても異なる形式
葬儀=葬儀会場と思いがちですが、必ずしも葬儀の専門施設を選ばなければいけないわけではありません。自身や遺族にとって最善だと思える形式の葬儀を、葬儀を行う場所で選ぶこともできます。
葬儀専門施設
葬儀専門施設とは、葬儀や法事を行う専門の施設です。葬儀専門施設はセレモニーホールや斎場、葬儀会館などさまざまな呼ばれ方をします。葬儀専門施設はいずれも葬儀をあげるための設備や備品などが整備されているため、あらゆる葬儀の形式にも柔軟に対応してくれます。幅広く手掛けている葬儀社であれば社葬や大勢の参列者を予定している規模の大きい葬儀でも、規模に見合った斎場と設備、設営を行なってくれます。
自宅
現在では葬儀専門施設での葬儀が主流となっていますが、以前までは自宅から故人を見送る自宅葬が主流の葬儀の形式でした。長年住み慣れた家、家族や仲間、皆との思い出が詰まった自宅から見送ってほしい、送り出してあげたいという思いから、自宅で行う形式の葬儀を選ぶ方もいます。
宗教施設
寺院や教会といった宗教施設で葬儀を行えることがあります。寺院や教会で行う葬儀は、基本的に檀家や信徒に限られるケースが多く、深いつながりを要します。葬儀を行いたい寺院・教会への問い合わせは必須ですが、寺院や教会が葬儀場を所有している場合は一般でも葬儀場として利用できることがあります。
まとめ
葬儀と一概にいっても、選択できる葬儀の形式は幅広く存在します。葬儀にはあらゆる形式がありますが、御家やご自身の宗教・宗派がある場合は、そのしきたりや作法に則った形式で葬儀を行うことが基本といえます。大枠は宗教・宗派に則り、そこからさらに一般葬、家族葬、一日葬、直葬など葬儀のスタイルを選び、花や棺、骨壷、霊柩車、食事などをどうしていくか選んでいきます。この一連の流れはどの形式の葬儀にも共通します。自分らしさを選んでいくことで、あげたい葬儀と出会えるかもしれません。